逃げればいいじゃん
私は頭の中で逃げ道を考えておくタイプだ。
もし追い込まれたとしても、いざとなったら逃げればいいやと思う人間である。会社だって辞めてもいいとさえ思っていた。
だがそれは健全でいた頃の話だ。
まさか自分がそのうち逃げ道が見えなくなる。いや、それどころか逃げる事すら考えられなくなるとは思いもよらなかった。
それが健全な人の考えなのだ。
自傷行為と言うもの
自傷行為は皆さまご存知ですよね。自分自身を傷つけることです。
よく知られているのは手首をカッターなどで切りつけるリストカット(通称リスカ)。
その他にも火を押し付ける、怪我をするほど壁を殴る、髪の毛を抜くなど様々なものがあります。
私の話になりますが、うつ症状がはっきりと表れてから半年くらい経ったころ、自分が生きていると言う感覚がよく分からなくなっていました。
楽しくも悲しくも苦しくもない、全ての感情が薄まりつつあるなかで一番生きていると感じさせてくれるのが痛みでした。
ただリスカなど傷になるような事は致しません。傷が他人にバレたら心配されてしまいますし、私は血を見るのが嫌いです(←意外と冷静なヤツ)
ちょうど冬の寒い時期でしたので、トイレの水道で冷たい水に手を入れて暫くそのままじっとしていました。
あぁ冷たい
僕、生きてるんだ
僕はここにいるじゃん
冷たいと感じられるだけで何となく安心できました。こうする事で自己確認をしていたのだと思います。
自傷行為の主な理由は辛さから逃れるためだと言われています。
自分を傷つける事により痛み、もしくは痛みを抑える脳内麻薬の作用などによって気が紛れるのです。
傷をつけると「すーっ」と心が軽くなったり気持ちが落ち着いたりして、一瞬だけでも辛さから逃れる事ができます。
その感覚を一度覚えてしまうと繰り返し行ったり、エスカレートする事もあります。
自傷行為を止めさせるには
「自傷行為をしてはいけない」と言ってはダメだそうです。
先程も書いたように自傷行為は苦しみから逃れるための緊急避難なのです。それを否定してしまったら・・・どうなるか想像つきますよね。
苦しみは膨らみ続けていつか大爆発を起こすでしょう。最悪の事態にもなりかねません。
自傷行為自体を止めようとするのではなく、その背景の苦しみを取り除いてあげなければならないのです。
それには第三回の自殺を考える人と同じように、理解し共感してあげる事が必要なのだと思います。
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「動けない」ついに地に伏す
今まで仕事をしている時にも体がどうしようもなく重くなる時がありました。そんな時は給湯室の椅子で5~10分くらい横になったりしていました。
それで何とか体が動くようになって再び仕事が出来るようになっていたのです。
そんなある日、今まで以上に体が重くなった事がありました。
これはヤバイかも?
給湯室だとたまに人が来るので心配されてしまう事があります。なので屋上に続く階段の踊り場まで行って横になりました。
ここならまず人が来ることはありません。たぶんいつものように10分も横になっていれば動けるようになるはず。そう思っていたのですが・・・
1時間くらい経ちました。
そのうち私がずっと席にいない事を不思議に思ったのでしょう。会社の人が探しているような気配がしてきました。
「いや、トイレにはいなかった」とか言っているのが聞こえます。
まずい、早く起き上がらないと。動いてよ僕の体、みんなが心配してる。
動いて、お願いだから動いて・・・
しかし私の体はピクリとも動きません。
やがて階段を上ってくる音がします。その正体は社長でした。
「ちゃこりん君、どうしたんだ!」
「いや、ちょっと疲れちゃって。もう少し横になってれば平気だと思いますので・・・」
私は努めて平静を装って言ったのですが
「いい、そのまま横になってろ。寒いよな、いま毛布を持ってきてやるから」
そうして毛布を掛けて頂き、暫く心配そうにそばに居てくれました。
私が大丈夫だと何度も言い張ったので「無理しないで寝てていいからな」と言い残して社長は戻っていきました。
あぁ、心配かけてしまった。
もう体も動かない。
心も動かない。
なんとも情けない話だ。
そう思いながらもどこか他人事な気がしました。
このつらそうに横たわっている人は誰なんだろう?
自分?
それが自分なら
つらいとも何とも思っていない僕は誰なんだろうか?
僕はこのまま消えてくのかな?
それは・・・・・嫌だな・・・
ぼんやりそんな事を思っているうちにいつの間にか寝てしまい、1時間くらい経って目を覚ました時には体が動くようになっていました。
良かった、これで起き上がれる。
そして立ち上がると、こうつぶやいて階段を下りていきました。
「仕事しなきゃ」
ブラック企業に勤めてうつ病になる典型?
こうして会社に勤めて10年、私は見事にうつ病になりました。私の辿った道を見て皆様はどう感じたでしょうか?
- こんな風になる事もあるんだ
- やばい、自分も同じ道を辿ってるかも
- じつは私も経験者です
- 自分の時とはちょっと違うなぁ
- アホすぎてワロタ(笑)
いろいろあると思いますが、今回はうつ病になる人の実例のひとつとして私の経験を書かせて頂きました。
以前ちらっとネットで見かけた漫画「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)をもう一度読んでみたら、自分とかなり似ている部分があって苦笑いしました(^-^;
仕事のしすぎでうつ病になる人の典型的なパターンなのかもしれません。
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もう一度自分を見直してみよう
私は真面目な方ですが(自分で言うのは恥ずかしいですねw)几帳面なタイプではありません。むしろ大雑把。
それに人とも上手くやっていく方です。
血液型を聞かれてO型って答えると「わかる~」と納得されちゃうタイプの人間です。
それでも私はうつ病になりました。恐らく誰もがなる可能性があるのだと思います。
オレは平気だぜって思っている人でも、「私は絶対騙されません」と言いながらあっさり詐欺に引っかかる人と同じように、あっさりうつ病にかかるかもしれません。
あなたは大丈夫ですか?
この体験記を読んで少しでも身に覚えのある方は早めに脱出方法を考えてみてはいかがでしょうか?
人生一度きりです。
不安だけど勇気を出して一歩を踏み出してください。
きっといろんな世界が待っていますよ。
このあと治療編も書くつもりですが、ちょっとバカな記事をいくつか書いてリフレッシュしたくなりました(*^^*)
しばらく間が空きますが続きを読んで下さったら嬉しいです。
そして治療編へ
to be continued→私のうつ病治療編① 自己診断テスト
うつ病治療編③ 抗うつ薬って効くの?初めて飲んで脳がしびれる
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