■そらはあおいろ

今日もまた部活なんだって。
テニス部は専用のコートが有るから、授業時間以外はフルタイムで練習が出来る。
朝練昼練悪い事に放課後は日が沈んでボールが見えなくなるまでが練習時間。
だから、あたしは冬が好き。
早く練習が終わったら一緒に帰れるから。
後、雨の日も好き。廊下で筋トレしたってたかが知れてる。
あたしは、彼と並んで帰るのが好きだ。
テニスに邪魔されない二人だけの時間は本当に少ないから。

「今日ね、酷いんだよ!数学の田口先生がね」
「昨日のハリー・ポッター観た?」
青学テニス部を背負う副部長様はどんな下らない話題にもやさしく相槌を返しながら付き合ってくれる。

美術室の窓からは、テニスコートが良く見えて、スケッチには事欠かないのだけれど、
どうもあたしはあたしに興味のない時の彼には興味 が無いみたい。
だから、テニスをしている時の大石秀一郎は私の大石秀一郎では無い。
と今さっきまで思ってたんだけれど。

「俺は の 描く絵が好きなんだよなぁ。
どれを見ても ら しいって言うか そ のものって言うか…」
「あっ、あたしだって大石君がテニスしてるとこ好きだよ」

大嘘つき。
なのに彼は目を細めて笑って返す。
「じゃあ、週末応援に来てよ。立花が見てると思うと張り切るから。
いつも美術室の窓から見てるでしょ?あれ、励みになるんだよな。」
前歯が光りそうな爽やかな笑顔でそう言うと、したたかな目付きで眉を寄せて。
「一回公式戦出てるとこ見に来てよ。ぜったい惚れ直すから」
「…あ、うん。じゃあ週末晴れたらね」
その迫力に押されてついついO.K.の返事をしてしまった。
涼しい顔をして何もかもお見通し。きっと週末の天気さえお見通しなんだろう。

週末はスケッチブック持って応援に行こうか。
空が青いといいな。


END


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